脱マニュアル主義
オークリーフの牛飼いの基本は、脱・マニュアル主義。マニュアルに従った流れ作業的な牛の管理では、マニュアルにない想定外の問題が発生したときに、悪い結果を他人や環境の責任にしがちで、問題に適切に対応できません。私たちの仕事は、牛、気候、病気など、自然が相手、想定外の出来事など日常茶飯事です。だから、オークリーフには、細かい作業マニュアルはありません。しかし、たった一つだけ決め事があります。それは、いかなるときも「牛にとって、いいことを最優先にする」ということです。この一つの決め事のもとに、スタッフが牛としっかり向き合っていれば、知識と経験、また、知恵と工夫を生かした管理ができ、不測の事態にも臨機応変な対応が可能になり、結果として、健康な良い牛を育てることに繋がっていきます。
抗生物質への考え方
当牧場では、病気を予防するために、抗生物質をえさに混ぜる方法はとっていません。というのも、えさに抗生物質を混ぜると、それを食べるすべての牛に抗生物質を投与してしまうことになり、本来、その必要のない健康な牛にまで抗生物質を投与するになってしまいます。これは、牛の健康のためには決していいことではありません。また、抗生物質を長期間使い続けることで、その抗生物質が効かない菌(抗生物質耐性菌:人間の世界で起こるMRSAの院内感染などがその例です。)を出現させる原因にもなるからです。
【ハーブ、総合ビタミンの使用】 健康なエサを与えることを基本に、人間の健康食品やサプリメントにあたるものを適宜与えています。その一つが食味も香りもよいハーブのふりかけ(粉末)です。 |
【ワクチンの接種】 オークリーフにやってきた仔牛には、数種類のワクチン等の接種を行います。哺乳動物である牛は、成長過程も人間とよく似ています。人間の子どもと同じように、生まれたばかりの仔牛は、病気に対する抵抗力が弱く、病気にかかりやすいのです。牧場では、人間の子どもが予防接種をするように、牛にも予防接種を行っています。 |
治療についての考え方
基本的には、牛も人間の病気の治療の考え方と同じです。
まず、病気の原因を特定します。多くの牧場の場合、消化器疾病である下痢を伝染病ととらえるのに対し、オークリーフでは、ほとんどの場合、食中毒と考えます。
例えば、サルモネラ菌、大腸菌、ブドウ球菌など、細菌による食中毒の場合は、整腸剤、止瀉薬に加え、抗生物質の投与と脱水症状緩和のための点滴等の補液を行います。
また、牛も人間同様に風邪をひきます。元気がなくなり、熱や咳、鼻水が出ます。その時は、症状を緩和するための薬の投与、栄養補給、ビタミン剤の投与に加え、症状が改善されない場合は、適宜、抗生物質の投与や補液も行います。
専任獣医による治療オークリーフのポリシーについてよく理解している専任の獣医師の先生に治療をお願いしています。オークリーフでは治療中の牛の管理はもちろん、病み上がりの牛の管理など、治療全般に渡って獣医師の指示に従って行っています。牧場のスタッフ同様、オークリーフの牛についてよくわかってくださっている先生なので、安心して任せられます。 |